およそ2年前、すでに彼らはニューヨーク州北部で195平方フィートのトレーラーに載ったタイニーハウスを建てて住んでいました。そこでのシンプルな生活も気に入っていましたが、更に旅もできるようにしたいと考えたとき、トレーラーは色々なところを走り回るには不向きなように思えました。
そのためにはバンでの生活が良いだろうと考えていましたが、ゆっくり準備していくことになるだろうと思っていた矢先に、希望通りの中古の車をクレイグスリストで偶然見つけ、思い立ってから数日という思いがけない早さで旅をする準備ができたのです。
二人は、娘が生まれる前は共働きの生活をしていて、お互いの顔を見る時間もあまりないほど忙しい毎日でした。ある時、自分たちの時間をちゃんと取れないような生活に疑問を抱いた二人は、ライフスタイルを大きく変える決心をしたのです。
娘のステラは、前の家も含めてタイニーハウスでの生活しかしたことがありません。もし大きな家に住んでいたら、家の中にはたくさんの物があり、子どもが触りたくなる物も、その中にはきっとあるでしょう。そして家の中ではその度に「触ってはダメ」と言い続けなければいけません。
サラは、あれこれ禁じるのではなく、娘が自分の手でいろいろなものに触れて、探求心を養ってほしいと考えているので、大きな家に住むよりも今の生活の方が娘のためになっていると考えています。
親としての自分たちの行動について自問自答することは、特に他の人と少し違ったことをしようとしている時などは、それはとても普通の事でしょう。サラもそうでしたが、そんな時彼女は他の人に自分の考えを話してみるようにしました。そうすることで彼女は安心を得られ、また元気づけられたのです。
ジェイムスは、ステラをアメリカ中の色々な国立公園に連れていき、ありのままの自然の姿を見せることができる機会があるのはとても素晴らしいことだと考えています。ステラはその中で、彼女の世界に対する視野を広げていくでしょう。また、様々な人に出会い、色々な人たちが作用し合ってこの世界を作っているということを目にするでしょう。
様々な自然の要素に触れ、生きているということはどういうことなのか、真の理解を得ていくでしょう。
子どもを持ったからといって、それは何かを諦めるということにはなりません。人生が変わってしまったとか、一か所で落ち着かなければいけないとか、規範に沿った生き方をしなければいけないと考える必要もないのです。
子どもがいてもあなたはおかしなことも、変わったことも、何でも出来るし、子どももその中から何かを吸収してより良い方向へと成長していくのです。