ポールは1989年製の中古のバンに乗ってロードトリップをしながら生活しています。
以前はアパートメントに住んでいたこともありました。しかし、ある年の冬に、アパートで寝たのは4ヶ月中わずか14日しかないということに気が付いた時、家賃を払い続けるのはもったいないと思いました。
ポールはフリーランスで映像制作や写真撮影の仕事をしており、仕事柄、色々な場所に必要な機材と一緒に移動することができるバンで暮らすことが、自分のライフスタイルには一番合っているのではないかと考えました。
ポールは独身でもともと多くの物を必要としない性格だったため、彼のバンの中に積んでいるものはカメラなどの機材やバッテリーなどの電源の他は、本当にわずかな衣類やキッチンツールなどだけです。
車内にある小さなキャビネットの中も全然ものが入っていません。
ポールのバンライフの中での楽しみの一つは料理です。
彼は料理の学校に通ったこともあるほど料理が好きなので、シンプルなアウトドア用のキッチンですが、限られた材料やツールで色々なものを作ることを楽しんでいます。
ポールは幼いころから両親と一緒にワゴンでたくさんの旅をしてきたので、今のバンライフの中で特に苦労を感じているところはないと言います。
小さな故障など車のトラブルが起きたことはありましたが、その他に大変なことはありませんでした。
車の修理の経験は旅を始める前はありませんでしたが、YouTube動画やバンを所有する人が集うコミュニティなどで機械的な事を学び、実際に自分で修理してきました。
バンの中で、たった一人で暮らすという事は、ともすると、とても孤独になりがちです。
ポールは一人の時間が苦にならないタイプですが、路上で偶然出会った同じバン仲間と一緒に時を過ごすことはとても楽しいものですし、また、同じようにバンで生活をしている人の横の結びつきはとても強いので、そういった触れ合いの機会にも恵まれています。
フリーランスの仕事では、自分のスケジュールを自分で決められるのがとても大きな魅力です。
例えば1年のうち、1日の休みもなく8か月猛烈に働いて貯金を作り、その後で、4ヶ月は全く仕事をせずに自由な旅を楽しむというライフスタイルを選ぶこともできるのです。
ポールはまだ22歳でキャリアをスタートさせたばかりですが、バンでの生活は彼に様々な人々との出会いをもたらし、自分のプロジェクトに集中する時間的な余裕をもたらしてくれています。