ワシントン州レントン。サリヴァン夫妻(ブライアンとスタラ)は一般的ではない家庭を築いています。改造したスクールバスで3人の子どもと共に暮らしているのです。
スタラ「乗り物というよりタイニーハウスに住んでいる感覚です。ソファはフルサイズベッドになります。多機能キッチンにオーブン電子レンジもあります。小さな子どもたちをいっぺんに入れられるお風呂も用意しました」
ブライアン「ストーブが家を温めてくれます。洗濯機があって、コンポストトイレもあります」
2年前まではもっと一般的な生活スタイルでした。アパートに住んでいてブライアンの仕事場までは1時間の道のり。賃貸費を払うためにブライアンは遅くまで働き、ラッシュアワーに車で家と仕事場を往復しなければなりませんでした。だから生活を変えようと決めたのです。
YouTubeでタイニーハウスの動画を見ていました。青いバスにクレイジーな人たちが暮らす動画がありました。そのときお互いに顔を見合わせて言ったんです。「一緒にバスで暮らさない?」と。
ブライアン「最初は、彼女は冗談を言っていると思ったんだ。気軽にいいね!と答えました」
スタラ「本気だったのよ」
ブライアン「そう、彼女は真面目にそう言ったんだ。それで考え出したら良いことづくめだと思いました。移動できて迎えに行くこともできる。遠くの仕事場になったとしても問題ない気がしました」
2014年に地元のディーラーでスクールバスを買い、3万ドルと一年をかけて理想の家に改修しました。バスでの暮らしは1か月500ドルです。アパートなら1500ドルかかります。つまり1/3の費用に抑えられました。ローンの支払いもできるし、好きなものを食べて、好きなところへ行くことにお金を使えるようになりました。
しかし家族にとってスムーズなドライブとはいきませんでした。
スタラ「水道管が凍って水が出なくなったことがあります。真夜中にプロパンガスが切れて暖房がつかなくなったこともあります。電気がなくなったこともあります。同時にすべてが起こらなかったことが唯一の救いです」
多くの人が「ここで子どもを成人するまで育てるのはできないだろう」と言います。
しかし、私はそうは思いません。彼らがプライベートな時間を過ごせる場所を用意しています。
今後別の家に移る予定はありません。
スタラ「バスを出てほかの家に住むとしても同じくらい非常識なものになります」
ブライアン「そうだね、何か全然普通ではない家になるよ」
スタラ「私たちは非常識な人間です」
小突くブライアン。
スタラ「だってそうでしょ!」
タイニーハウスで暮らそうと思うときに、気になるのが、「子どもが成長したらどうなるか」ということ。
ふたりは子ども3人と一緒に、そんな疑問をはねのけて生活しています。生活しづらくなったら、再度改装したり、暮らしを変えたりして快適な暮らしを実現できるという自信があるのでしょう。
どんな状況でも、自分たちで暮らしをつくっていくという自信が伝わってくるような映像でした。