大きな土地を持っている親や親戚がいる方の中には「土地を分けてもらうことできないかな?」と考えたことがある人はいるのではないでしょうか?
今日は「土地を分けること」についてお伝えします。
土地を分けることは可能
1つの土地を、2個でも、3個でも、10個にでも分けることはできます。
ただし、条件があります。それは「境界が確定していること」です。
境界が確定していないと、土地を分けることはできません。
境界が確定しているとは、どういうこと?
境界が確定しているとは、「対象土地(分けたいと思っている土地)に隣接している土地全てとの境界がきっちり明確に決まっており、所有者同士の間で境界確定書が取り交わされていること」です。
全ての土地には、道路(公道、私道)も含まれます。
隣接している土地とは?
隣接している土地とは、現実世界での両隣さん、裏手のおうち、表道路・・・
ではありません。
法務局で「公図」を閲覧して、道路を含む隣接している土地全てを調べ、その土地の登記事項証明書を取得して、土地所有者を特定します。
現実世界では、お隣の敷地との間に何もなくても、公図を調べると、対象土地とお隣の敷地の間に別の土地が存在している、ということがありますし、土地の所有者と建物の所有者が違う場合もあります。
境界確定の当事者は、土地の所有者ですので、法務局での土地所有者調査は必須です。
どうやって境界を確定するの?
隣接している土地の所有者同士が現地で立ち会い、境界がどこかを双方納得の上で決めます。お互いの主張が食い違いまとまらない場合は、境界は未確定になり、分けることはできなくなります。
道路は、公道の場合、管理する市町村に「境界の明示申請」をした後、市町村と立ち会いをして境界を決めます。この場合も、お互いの主張が食い違いまとまらない場合は、境界は未確定になります。
私道は、隣接地同様、私道所有者と立ち会いをして境界を決めます。お互いの主張が食い違いまとまらない場合は、前述と同様、境界は未確定となります。
境界が決まると、当事者同士で、境界確定書を取り交わします。公道は、市町村が「境界明示書」を発行します。
境界が決まったら?
分けたい土地の面積、形状等を測量して、土地の分筆登記を申請します。分筆登記が完了すれば、土地が分けられたことになります。
分筆登記を行う前の土地の登記識別情報(もしくは登記済権利証)が、新しく分けられた土地の登記識別情報(もしくは登記済権利証)も兼ねることになります。
境界確定、分筆登記は誰に依頼するの?
現地測量、市区町村への届け出、図面の作成など、専門知識、技術が必要ですので、土地家屋調査士に依頼します。
分筆登記後の名義書き換えは?
前述のように、登記識別情報(もしくは登記済権利証)が、少し複雑なので、登記の専門家である司法書士に依頼するのが安全でお勧めです。