テキサス州オースティン出身のリサは、フリーバード(Free Bird)と名付けた日産製のバンに乗り、一人で旅をしながら暮らしています。
ヨーロッパ中をお金をかけずに周れる旅ができないかと、いろいろな手段を検討していた時に、バンの中で生活しながら旅をするというバンライフのスタイルについて知り、同じことをしようと思いました。
バンライフについて知ったのは金曜の夜でしたが、日曜の午後にはすでに車を決めて手付金を払うところまで済ませていました。
彼女が購入した日産のバンは、もともとはケータリングサービスに使われていた車で、4か月かけて車の改装と旅の準備をしました。
当時は付き合っているパートナーがいたので二人で作業をしたのですが、その後パートナーとは別れることとなり、リサは一人で旅に出る決意をしました。
準備が終わったのは10月でしたが、出発したのは翌年の3月でした。
リサはかつては法律関係の仕事をしており、人生の成功とは何かということについて、周囲の人の考えに流された狭い見方しかできていませんでした。
もっとクリエイティブな何かがしたいと思った彼女は、中古の家の改装を副業として始め、キャンピングカーやタイニーハウスのデザインを手がけてきましたが、その中で、自分も同じように家ごと移動する自由な生活を送ることもできるのだという可能性に気が付きました。
そしてそれまでの仕事をやめて在宅や移動しながらでもできるリモートワークを始め、それからヨーロッパ旅行を計画するなかで知ったバンでの生活を始めるところまで来ました。
リサはシナリオライティングの講座を受講して、現在は、脚本はもちろん、ライターとしてバンの中から仕事をしています。
彼女のバンはどこでも仕事でできるように、インターネットのルーターがやソーラーパネルが取り付けられています。
このようなライフスタイルに挑戦してみたいと考えている人たちへのリサからのアドバイスは、実際にバンに乗りこむ前に、まずできるだけ身の回りをシンプルにしてお金を使わないように注意し、自分がどれだけ物を消費してきたかを意識することから始めてみることです。
自分と周りの人々がどのように相互に作用しあっているのかについても考えてみましょう。
そして自分の家計のお金の流れを把握し、バンでの生活を始めるための貯蓄をしましょう。
リサにとってこの生活のテーマは、どこに行くかということではありません。
実際に、彼女がバンでの生活の初日に走ったのは、家からわずか30マイルのところまででした。
この生活の中で大事なことは、「この瞬間に自分は何をしているのか」ということです。
自分の過ごしている一瞬一瞬を大切に、丁寧に生活していくことがリサのバンライフのテーマなのです。