イェレナとティボーのカップルは、バンの中で暮らしながらヨーロッパ中を旅しており、今は地中海のコルシカ島に滞在しています。
もともとバンライフに興味を持っていた二人ですが、大学生活も終わりを迎える頃、夏のバケーションをどう過ごそうか考えていた時に、ティボーの両親の車を借りて、そこに食料やエアーマットレスなどを積んで週末だけの旅行をしてみました。
そこで、時間に追われずに柔軟性の高いライフスタイルが作れることを実感しました。
イェレナはまだインターンシップの期間が残っていたので一度帰りましたが、その後アパートメントを引き払い、バンに乗って旅に出ました。
旅を始めた当初は簡単な木の床を付けただけで他は断熱や水回りなど、ほとんど手をつけていない状態でしたが、その後旅の途中で備品を買いそろえたりして、コルシカに来てから全体的な改装をきちんと施しました。
バンは1,700ユーロで中古のものを購入し、そこにベッドや簡易キッチンなどのインテリアや新しいサイドミラーなどを取り付け、壊れていたドアも交換するなどして、備品代にかかった費用は500ユーロで、12日間という短期間で改装を終えました。
この先、予算に余裕があれば更に装備などを買ってつけ足していくかもしれませんが、これまでの生活で他の物を応用して足りないものを補う方法など旅の知恵を得てきたので、今のままのバンでも特に不便を感じることがなく十分だと感じています。
長旅に出たいと考えている人たちに彼らが伝えたい事は、人々の多くは旅のための何万ドルもの貯金を作らなければならないと思っているかもしれませんが、実際はそのようなものは必要ないということです。
まずは一番基本的な装備だけを整えたら週末だけでも家から離れて自分の住んでいる地域の周辺を探検してみて、それだけでもそれは旅をしていると言えることなのです。
はるか遠いところまで行かなくても、どこかいつもと違うところで夕焼けを眺めてゆったりしてみたら良いのです。大きな資金を準備したり仕事を辞めたりしなくても、それらは十分に可能な事です。
バンの中にきれいな調度品や設備を揃えようとしなくても、とりあえず一番シンプルにバンとマットレスや食料、自分たちで用意できる範囲のものなどがあれば数千ドルくらいの予算で、彼らのような旅は実現できます。
イェレナとティボーにとって、このバンでの生活はとても特別なものというのではなく、自分の家の裏庭をちょっと探検していて、そこでテントで野宿するよりも少しだけ快適に寝泊まりできているというような、とても気軽なものなのです。