ヴィッキーは愛犬のクリオと一緒に、バンで一人旅をしています。旅は一年ほどにもなりますが、彼女は最初からバンで生活することを目指していたわけではありませんでした。
最初はヴィッキーはただ、クリオを連れた旅がしたいと漠然と考えていました。そして、その旅を始めるのも2年以内くらいに出来たら良いかな、というくらいの気持ちでした。
でもある時友人2人と一緒にロードトリップをし、ちょうど友人のうち1人が彼女と同じように旅に出たいという夢を話していました。
その時ヴィッキーはその友人に、独身で特に決まった仕事もないのなら、今すぐに旅に出たらいいのにと勧めました。そしてそれを聞いていたもう1人の友人が今度はヴィッキーに向かって、「君も同じ夢を持っているけれど、それこそ今始める時じゃないか」と言ったのです。
そこから2か月後、彼女は仕事を辞めてノルウェーに旅立ちましたが、その時はまだ普通の車で寝起きしていました。
スカンジナヴィアに2か月ほどかけて旅をした時、そこで仕事を探して留まろうと思いましたが、ふと彼女が欲しいと思っている車とバンではそんなに値段に違いがなく、更に、普通の車よりもスペースの広いバンに乗ればより長く旅ができると気が付いたのです。
途中からバンに乗り換えたヴィッキーは、2か月の予定だった旅を4か月に延長することにしました。そして必要なものがコンパクトにまとめられるバンの生活は予想以上に快適だったので、そこから更に旅を延長して結局半年ほど過ごしました。
その後も、まだまだ旅を続けたいと思っている自分に気が付いたヴィッキーは、本格的にバンを改装してそこで生活をしながら旅をすることにしたのです。
これまでヴィッキーは、同じように旅をしたいけれど、一人旅に不安を持つ女性たちにたくさん会ってきており、彼女たちはヴィッキーに、身の安全は大丈夫か、または安全を確保するにはどうすればいいのかとよく聞かれました。
そんな彼女たちにヴィッキーがアドバイスしたことは、バンでの生活に憧れているのなら、バンを買う前にまずレンタルして旅に出てみて、少しそこで寝泊まりしてみたらいいということでした。
森や山の中で一人で過ごしてみた時にそこで怖いと思うのなら、外で寝泊まりする生活には向いていないということかもしれません。まずは試してみたら、そこから本当に自分のやりたい事が見つかっていくでしょう。
人々はやらない言い訳を考えがちですが、もし本当に何かしたいことがあるのなら、自分の中の恐怖心の声に耳を傾けることを止めて、チャレンジしてみるべきだと思います。
「不思議の国のアリス」の中に、ヴィッキーの大好きな「なんでもない日おめでとう」という一節がありますが、まさにそこに描かれているように、毎日をお誕生日のように大切に祝いながら過ごすべきなのです。