二人は、自分たちの生活、ものの消費、支出、そういうものについて考えたとき、もっと生活をシンプルにしようと思い、タイニーハウスに住もうという考えに行きついたのです。
今の生活は一夜にして現れた簡単なものではありません。これまで色々な道を経てきた彼らの人生の結果となっているものなのです。
二人は学校を卒業してしばらく、社会人として一般的な社会生活を送ってきましたが、ある時、自分たちの背負っている学生ローンや不動産ローンなどさまざまなものを計算してみたらなんと96,000ドルもの負債となっていることに気が付きました。
この深刻さに気が付いて、二人はこれまでの人生を大きく変えるという決断をしました。
ローンの大部分は学費など学生ローンでしたが、日々の生活の中でクレジットカードを使い、特に深い考えなしに外出したり旅行をしたり、そういう浪費の類もありました。
夫妻は引っ越しをして、1ベッドルームしかないアパートに住み始めました。ローンや必要な出費などあらゆるお金の出入りを書き出して、返済に優先順位を着け、節約生活を始めました。カードを使わず現金だけを使うようにして、週ごとに使えるお金をきっちり決めたり、欲しい物があっても絶対に新品は買わずに、借りたり自分で作ったりして、どうしても必要な時には中古品を探しました。
こうして1年8か月後にはローンを完済することができたのです。ローンの返済の事を考えると眠れないようなストレスのある生活から、あらゆる選択肢が可能になったのです。
そしてもう今までと同じようなお金の使い方はしたくないと二人とも考えました。ローンを完済後まもなく娘が生まれましたが、その後も同じ節約生活を続け結果、とうとう家を買うお金を貯金することができるまでになりました。
でも、当時の住宅事情を考えると、家を買うということは再び大きなローンを抱えるということでした。
そこで夫妻はタイニーハウスに住もうと決めたのです。タイニーハウスに住むという事は、ローンから解放された自由な生活を手に入れることができると考えたのです。
また、二人はずっと都会に住み続けるかどうかも決めていなかったので将来もっと小さなコミュニティーに引っ越したいと思ったときには家ごと移動できるという選択肢も得られると考えました。
そして何よりも、大きな貯金ができるのです。今は土地を借りていますが、もうすぐ自分たちの土地を買う予定です。小さな家というだけでなく、トレーラーの上に載っていて移動できるタイニーハウスに住むという考えは、ジョセリンの方が先に乗り気になりました。彼女はそれまでタイニーハウスについて見聞きしたことがあって、自分たちも住めるのではないかと思ったのです。
二人は週末の時間を家づくりに使い、1年2か月かかって、DIYでタイニーハウスを作りました。
タイニーハウスを作るという事は、もし自分たちで家を建てたり色々なものを作ったりということをせずに完全に人に任せたり買ったりすると、そんなに安いものではありません。
タイニーハウスを停める場所も、彼らは自然に囲まれた素敵な場所を貸してくれる不動産のオーナーに巡り合えましたが、そうではなく停める場所を探すのに苦労している人たちもたくさんいます。彼は自分たちが機会や運に恵まれていた面もあると考えています。
今の生活には自由があります。もし仕事を変えたいと思ったら、ローンの返済にとらわれずにすぐにできます。子供の育て方や、自分たちのライフスタイルについて、こうしたいと思うことがあったらそれも実現することができます。自分たちの人生を、お金に縛られることなく自由に設計できるのです。