未登記の建物を購入・売却する場合のデメリット

投稿日:2017年1月15日 更新日:

未登記の建物の購入と売却
未登記の建物の購入と売却についてご説明させていただきます。様々な面倒がありますのでよく確認してくださいね。

建物の未登記は通常は法律上NG

建物を探していると、未登記の建物に出会うことがあります。

法律では下記のように1ヶ月以内に表題登記を申請しなければならないと不動産登記法に定められています。

第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。

不動産登記法

法律で定められているにも関わらず、未登記の建物がある理由は、ローンを組んで購入する際には、登記していることが必要になるため登記求められるのですが、建物を現金で購入した際に、そのまま登記をする必要に迫られず、未登記になってしまう場合が多いです。

未登記の建物について

未登記の建物について、まず知っておくべきことは、建物の未登記のままだと「所有者」であるということが第三者に主張できないということです。

通常の生活するには、未登記でも支障が出ることは少ないですが、売却・売買や相続などする際に手間が出てきます。

未登記の建物を「購入」する際のデメリット

未登記の建物を購入する際には、下記の点に注意が必要です。

  • 融資が通らない可能性

    未登記の建物の場合、金融機関からの融資を受けることが難しいです。

  • 登記する費用と手間

    もし、購入者側で登記を行う場合には、登記の費用と手間がかかります。土地家屋調査士や司法書士に依頼することになります。手間はかかりますがご自身で登記することも可能です。

  • 登記しないと罰則がある

    第四十七条第一項に「申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する」と明記されています。

  • 以上が、未登記の建物を購入する際のデメリットです。

    未登記の建物を「売却」する際のデメリット

    未登記の建物を売却する際のデメリットは、購入の時と逆になります。

    「購入者の融資が下りない可能性」「登記する手間がかかる」「登記しないと罰則があるため登記せざる負えない」

    様々な理由から、購入者が購入を尻込みしてしまうことが考えられます。

    まとめ

    未登記の建物は購入者もしくは売却者に手間が発生します。そのことをしっかり把握し、購入または売却するようにしましょう。

    また、建物を購入した際にはその後のためにも必ず登記はするようにしましょう。

-カテゴリー: 登記

執筆者:

関連記事

不動産登記簿とは

不動産登記簿とは?何が書かれているの?サンプルあり

不動産登記簿についてを解説していきます。 目次1 不動産登記簿とは2 不動産登記簿のサンプル3 不動産登記簿に書かれていること3.1 表題部3.2 権利部(甲区)3.3 権利部(乙区) 不動産登記簿と …

ハウスメーカー・工務店の選び方

【建築関係者が教える】ハウスメーカー・工務店の選び方 4つのポイント

ハウスメーカーや工務店を選ぶ場合、最終的には「何を優先させるか」に尽きます。 各社、それぞれメインとしている商品があり、それによって工法が違うからです。また、それぞれの会社で注力している部分があります …

高度地区とは

高度地区とは?

高度地区とは? 高度地区とは「住みよい街づくりのために用途地域内で建築物の高さを定められる地区」のことです。 都市計画法第九条では下記のように定義されています。 用途地域内において市街地の環境を維持し …

no image

不動産の共有持分って何?

仲の良い友達3人でお金を出し合って1艘のヨットを買うと、そのヨットは、3人の共同所有になりますよね。不動産もこのように複数人で共同所有することが可能です。   ひとつのものを複数人で共同所有すること、 …