家を建てると、通常は所有者が誰であるかをきちんと登記しますので、未登記の建物は珍しいです。
しかし、住宅ローンを利用せずに建てた家や、昔から建っている古民家などでは、登記されていない場合があります。このような未登記建物を買うことになった、買おうと思っている建物が未登記だったといったとき、どういったことに注意すればよいのでしょうか?
未登記建物購入時の注意点はただひとつ!
「売主は、本当にその建物の所有者なの?」
ということ。
不動産の所有者であることを証明し、所有権を第三者にも対抗できるのは、「登記」です。
法務局の登記簿(現在はコンピューター管理ですが)に、所有者として記載されることによって、所有者は「私がこの不動産の所有者です」と堂々と主張できます。
また、第三者は、法務局で登記事項証明書を取って見ることによって「所有者として登記されているから、所有者に間違いないな」と確認できるのです。
登記をしているから、「実は私が所有者だ」と第三者が所有権を主張してきた場合も、「登記している自分が所有者である」と堂々と対抗できるのです。
その登記がされていないということは、本当に所有者であるかどうかの証明が難しくなります。
何十年も前からずっと住んでいる、ご近所もみんな知っているなどといった事実だけでは、「所有者だろうな」という推測はできますが、実は賃貸だったということなどもありますので、所有者であることを完全に証明する証拠にはなりません。
ではどうやって、売主が所有者だと判断するの?
一般的には、「固定資産税の納税者であるか」で判断されることが多いです。市区町村の固定資産税課での調査を行って、固定資産税評価証明書ほか売主が納税者である資料を揃えて、所有者だと判断して手続を進めていきます。
売主が未登記建物の所有者であることさえきちんと確認できれば、未登記建物を購入する手続、そして登記は、通常の登記されている建物の手続よりは手間や時間、費用がかかりますが、ちゃんとできますので心配する必要はありません。
登記手続はどうするの?
未登記建物を登記する場合
- 建物表題登記
- 所有権保存登記
が必要です。
これらの登記は、直接買主名義で行うことも可能です。
ただし、取引の安全を第一に考えるなら、費用や手間、時間はかかりますが、売主名義で所有権保存登記まで行い、売主から「所有権を移転」という形式で買主名義に登記する方法が、実情にも合っているのでおすすめです。