ブリタニーがこの生活で好きなところは、予約なしてすぐに好きなところに旅立てることです。訪れた先が気に入れば好きなだけ長くそこに留まることができるし、反対に気に入らなければすぐに次の場所に向かうことができます。
山や海の美しい場所にバンを停めているときは、そこが自分の家と呼べる場所になるのです。
ドリューはこの生活の中で、次に何が起こるか分からないわくわくする感じがとても気に入っています。ガイドブックに載っていなかったり、自分たちが予想していなかったような新しい事を発見していく冒険の旅をしているのです。
彼の祖父母は、ひと夏の休みを全部使って子どもたちをバンで旅に連れて行ったりしており、そこからドリュー自身もバンで旅する生活に親しみを持っていました。
ブリタニーとドリューは大学を卒業する時に出会いました。これから自分の住むところを自由に決められるという中で、二人は車で2週間のロードトリップをしました。
予定を決めずに立ち寄った先で泊り、グランドキャニオンでのキャンプもしました。その体験が忘れられないものとなり、更にロードトリップをして今まで見た事のなかった世界を発見していきたいと思いました。
このバンで旅に出る前は、二人はロサンゼルスで1ベッドルームの小さなアパートメントに住んでフルタイムで仕事をしていました。
ブリタニーは摂食障害に悩む女性をケアする施設で働いていましたが、悩みを抱える人たちを助けるための仕事に全力を注ぎ、彼女自身に心身に疲れを感じていました。
ドリューは高級時計ブランドで働いていました。そこでの経験や仕事を通して出会った人たちとの良い思い出もたくさんありますが、それは彼が自身に思い描いていたキャリアとは少し違っていました。
現在は彼がメインとなって収入を得ており、インターネットを通じて病院のマネジメントの仕事をしているので、旅を続けながら遠隔地でも働くことができています。
彼らの最初のロードトリップでは、アメリカからカナダを縦断しました。
彼らは当初、英語の先生として韓国に住んでみようかと思っていたのですが、両親にそのプランを相談した時に、まだ自分自身の国で知らないところがたくさんあるのを見て回ったらどうかとすすめられ、その時に使っていなかったキャンピングカーも貸してくれたのです。そこから二人の、未知の世界を探求する旅が始まりました。
二人が現在使っているバンは、イギリスで買いました。そこからスウェーデン、ドイツ、クロアチアなどヨーロッパや、アフリカの西サハラなど自分たちの探求心の赴くままに色々なところを旅しました。
バンでの自由な旅は、自分たちの自発性を高めてくれます。
ミニマルな生活をしているので、それまで好きだったジュエリー制作や絵などアートを楽しみたい時でも以前住んでいたアパートメントとは違い、すぐ近くに道具を置いておけるわけではありません。
また、言葉の全く通じない土地を旅しているときには孤独を感じることもあります。
そのような事も含めて、バンでの旅は彼らの生活を大きく変えてくれました。二人の結びつきもより深くなり、予測していなかった出来事への対処やそこから次の為の計画の仕方など多くの事を学びました。
今はヨーロッパを旅していますが、アメリカに帰っても自分たちの家と呼ぶのはこのバンでの生活なのです。