ゾロの家族はアフガニスタンからの難民でした。アフガニスタンを離れた後は家族がばらばらになってしまっていて、その為、ゾロの母は常に家族に会えることが一番大事なことだと彼女に繰り返し教えていました。
離れてしまった家族に会うために頑張って貯金をして会いに行くことが最も大事な行事だったので、彼女にとっても、旅が生活の中で優先順位の高いものになっていきました。
ペドロの家族はブラジル出身で、父に連れられてハワイに移住してきました。ペドロも、彼の父もどちらもサーファーで、ハワイで他の人たちと一緒に小さなスペースで生活をしていたことは、とても大事な思い出となりました。
その後、カリフォルニアに移ったペドロはゾロと出会い、今は一緒に旅をしています。
二人ともサーフィンをするので、サーファーの常として、色々な波を求めて移動し、今はニカラグアに二人のタイニーハウスを停めています。
彼らのタイニーハウスは、以前は国境パトロールに使われていたピックアップトラックに居室をつけてキャンピングカーにしたものです。室内にバスルームやトイレもついているので、長期間の旅の間もいつもと同じように生活できます。
約半年かけて作った屋根の上の収納スペースのおかげで、サーフボードなど大きな荷物を持ち運ぶこともでき、またそこから日の出や日の入りの景色を眺めることもできます。
自分の中に旅のプランができたら、とにかく準備を始めてみることです。
皆、プランを立てた翌日からすぐに旅を始める事はできません。ペドロとゾロも車を買って中に住めるように整えたり、その他色々なものを準備したりするのに1年かかりました。毎日少しずつでもとにかく進めていくことが大切です。
そして自分たちのやりたい事を見つけたとして、それを実現させるためには時として犠牲も必要です。
ペドロとゾロは結婚してすぐに、生活費を節約して旅の貯金を作るためにゾロの母親と一年ほど一緒に暮らすことにしました。
2世帯での同居には不自由なことも多く、特に新婚のカップルは普通ならば選ばないライフスタイルですが、それも自分たちの思い描いたプランを実行できている今につながっているのです。
自分の本当にやりたい事をよく考えてみると、それには何が必要か分かってきます。
彼らは生活の中で趣味の時間を大事にしたいと考え、サーフィンなどのアウトドアやヨガなど、自分たちのしたい事をしながら旅をするのには、このキャンピングカーに住む形が一番良いと思いました。
自分の好きなことを明確に出来れば、それぞれ自分たちに合ったタイニーハウスが見つかっていくでしょう。