昔からボートが好きでした。初めて船を作ったのは8歳の時。といってもそれはただ四角い形のものでした。誰か大人が教えてくれたわけではありませんでしたが、それは水の上に浮くと思ったし実際浮きました。母が作ってくれたランチをカバンにいれて川へ行きました。近所の人も見学に来ていて、「ちょっとそこまで行ったら戻ってきて今度はみんなを乗せてあげるよ」と言って私は船に乗り込みました。乗ったとたん船はまっすぐ下に沈んで私は膝まで水につかりました。これが1番目のボートでした。
絵を描くこともまた好きでした。鳥の絵を描く少年でした。どうすればまさに空を飛んでいるように描けるのか。羽を広げて、立体的に見えるよう描きました。そのころから、様々なチャレンジを重ねました。そしてこれが天職だと信じアートスクールに通うことに。私は何事も、家を建てるにしろ、船を作るにしろ、まず絵を描きました。
大型帆船「プテロダクティルス」。大きくて立派な帆を備えた船です。様々な部品が手作りです。船は大きいですが、コントロールできるように大きすぎないサイズになっています。
トミー・ドレイクという船長がいました。彼は自ら船を設計して自らの手で船を作りました。大雑把なところもありながら彼の船は機能的でした。彼は私にとってのヒーローで彼のスタイルを尊敬しています。
本格的に船を作ったのは73年のこと。兄弟や当時の妻、学友たちに手伝ってもらいました。誰か指導者がいたわけでなく、手探りで本を読んで学びながらの作業でした。まずい作業も多くあったので再販することは難しいものでした。しかし、なんとか機能するものが出来上がりました。
ギャレー(調理室)があります。アルコールストーブはジンバル機構になっています。船がゆれてもストーブが水平を保てるようになっています。引き出しも勝手に出てこないように上に持ち上げて引き出す仕組みです。お酒のボトルがたくさんシンクにたまっています。
トイレはコンポジットトイレ。寝室があって合計で11人は中に泊まれるようになっています。
まず始めることです。今後の人生のすべてを計画していてはいつまでもスタートできません。そうやって今の私があります。やることは始めるだけ。それが私からのアドバイスです。