キャサリンとウェインは、カナダ・バンクーバーアイランドで、自分たちの手で海の上に浮かぶ家を作りました。
「Freedom Cove(フリーダム・コーヴ、自由の入江)」と名付けた二人の家は、小さな浮き島と言ってよいほどの規模があり、住居の他にアトリエや食料用の植物を育てる温室、ダンスステージなど様々な設備があります。
フリーダム・コーヴを作り始めたのは27年も前のことです。
大自然の中でアートに取り組む生活をしたいとここでの生活を始めましたが、少しずつ改良や増築を重ね、2019年にようやく一つのプロジェクトとして完成しました。
浮き島の地面に相当する部分は、古い養魚場の足場を再利用しました。
その他にもこの島の建物は全てリサイクルの材料を使っています。
二人ともアーティストで、彫刻をメインとして、他にもダンスを創作したり絵を描いたりと様々なアートに携わっています。島には、作品を飾るギャラリーもあります。
このダンスステージの床を始め、家の屋根や外壁はマゼンタとグリーンで統一されています。
これは、ファイヤーウィードという植物の花と葉の色を表しています。
ファイヤーウィードは山火事の後に真っ先に生えてくる花のため、二人にとっては再生の象徴だからです。
二人はこのフリーダム・コーヴで、自給自足のオフグリッド生活を送っています。
温室では冬の間も収穫できる果物や野菜を育てる事ができ、電力はソーラーパネルや発電機で供給しています。
2018年には1トン近くの砂を運んできて、人口の小さなビーチも作りました。
このフリーダム・コーヴでの生活を通して彼らが人々に伝えたい事は、実践で得る学びを大切にするべきだという事です。
この世には学校に通って身につける知識と、自分の生活や経験を通して身につける知識の2種類があります。
どちらも大切な事ですが、狭い世界に閉じこもることなく、視野を広げて様々な人に出会い、実際に自分の手を動かして得た知識は貴重なものです。
そして、それらを得るためには、急いだり、何か無料のおまけを貰うような気持ちで簡単にしたりしてはいけません。
ゆっくりと時間をかけて、自分に合うものを探してみてください。
フリーダム・コーヴでの生活を見て、大変そうだと思ったり、ごちゃごちゃとしていてきちんと整っていないと思ったりする人もいるかもしれませんが、二人は互いを尊重しながらユーモアのセンスを大事にしてここでの生活を楽しんでいるのです。
今の生活から一歩踏み出すのを怖がっている人もいるかもしれせんが、チャレンジしてみればきっと、人生において目標としている事を達成できると思います。
困難は私たちに何かを教え、ともに何かを学ぶために存在しているものです。
そう考えていれば、自分のやりたいことをした結果、困難に直面したとしても、そしてそれを乗り越えるのに成功したか失敗したかに関わらず、大きな意味のあるものになるでしょう。