ジョンがオーナーを務めるCabinscape(キャビンスケープ)が手がけたタイニーハウス「マイカ・キャビン」は、カナダ・オンタリオの人里離れた大自然の中にあります。
マイカ・キャビンは公道を移動できる規定のサイズ内の大きさで、実際に動かすことも可能ですが、今の場所では基礎の上にキャビンを置き、半分固定された状態となっています。
周りは森や山、湖に囲まれており、本当にプライバシーの守られた生活をすることができます。人目を気にすることなく湖で泳いだり、家を出るとすぐに山歩きができる環境が整っています。
このキャビンの最大の特徴は、キッチンスペースに付けられたガレージドアタイプの窓です。上に大きく開くのでとても開放感があり、開くと、家の内と外の空間が一つになったような感覚を味わうことができます。
また、室内には一階部分とロフトの二か所に大きなベッドが置いてあり、4人までここで寝泊りすることができます。
トイレは家の中にありますが、シャワーは家の外に作ってあります。シャワーでは温水を使うことができ、使うお湯の量を心配する必要もありません。水は家のすぐそばにある湖から汲み上げています。
照明や機器の充電に使う電気はソーラーパネルと蓄電池の組み合わせで賄い、料理や給湯などにはプロパンガスを使います。
夏の間はソーラーパネルの使用に問題はありませんが、天候が悪い日が続く時期や冬場には日光が不足するので、蓄電池の充電用にガスで動かせる発電機を備えており、全体として特に不自由はありません。
また、一部ポンプを動かすために外の電力を使っている部分がありますが、これは家の維持の面で必要なもので、普段の生活という面では外からの電気に頼らないオフグリッドのライフスタイルをとることができます。
オフグリッドの家をどう運営するか、これから改良しなければならない要素がまだほんの少しだけ残ってはいますが、この家のシステムはおおむね上手く回っていると思います。
このキャビンは、ジョンと彼のパートナーがオーナーを務めるCabinscape(キャビンスケープ)という会社の8番目のプロジェクトとして作られました。
この会社を作る前、彼らは、自然に囲まれた古き良きカントリースタイルの生活に立ち返ることができるような家に住み、その中で子どもたちを育てたいと考え、それを実現できる環境を作るにはどうすれば良いのかと試行錯誤してきました。
しかし、誰か他の人や会社が提供するものの中で、自分たちの希望に合うものを見つけることは難しく、その結果、自分たちの手で作ってみようという事になったのです。
2年前に最初のキャビンを作り、そこからCabinscapeとして次々といくつかのタイニーハウスを作ってきました。
タイニーハウスのデザインはジョン達が自身で行い、他にも一部自分たちで直接作ることもありますが、全体としてのプロジェクトは信頼のできる建築業者に依頼してチームで進めています。
現在Cabinscapeが所有しているタイニーハウスやキャビンは、一年を通して貸し出されています。
たくさんあるタイニーハウスを建てている土地の所有者は全て同じではなく、異なるオーナーと契約しているため、新たなタイニーハウスを建てたり、またそれまでの場所から他へ移ったりなどの自由度が高く、極めて柔軟に新しい事を始められます。
このマイカ・キャビンはCabinscapeのプロジェクトの中で新しい方のものですが、最近のデザインは全てこのような大きな窓を持ったものにしています。
家の中でも外とのつながりを感じられるとても良いアイディアだと思います。