トムは、イングランド・ブリストルで、自分の手で一から建てたタイニーハウスに住んでいます。
タイニーハウスを作ろうと決めたのは、家賃の高さの悩みと、もっと自由の利く生活がしたいと思っていたことが大きいな理由です。また、彼は建設業の見習いとして働きだしたところで、自分のスキルを使って家を建ててみたいという考えもありました。
賃貸で家賃の支払いに追われ、他の誰かのために自分の稼いだお金を使うのではなく、自分の所有するものだけに囲まれてストレスなくシンプルに、自由な暮らしを始めたいと思ってこの家を建てました。
この家は完成してからまだ間がなく、現在彼は20歳ですが、このタイニーハウスの建設を始めた時はなんと17歳という若さでした。
建設に使う資材はリサイクルのものや廃材となっていたものを利用し、分からないところは勉強しながら、屋根の仕上げや配管なども自分で行いました。
屋根を作る段階が一番苦労しました。
屋根に使う金属の板の切り出し方や、雨漏りをしないように作るにはどうすれば良いかなど、全く経験のないところから少しずつ作業を積み重ねていきました。
トムの家は英国カントリー調の外装で、トレーラーに載っており、道路を移動することができる規定の大きさに収まっています。
イギリスの道路は特に郊外ではかなり狭いところが多く、そのような道を通ることができる大きさということで、アメリカなどと比べると、家に使えるスペースは小さくなります。
この家も約5メートル×2.5メートルほどの大きさしかありませんが、家の中にはリビングスペースの他にキッチンやトイレ、シャワーなど生活に必要な設備が揃っていて、ロフトにはゆったり寝られるサイズのベッドスペースがあります。
この家ができあがってまだ3週間ほどですが、今はまだ週末などに時々ここで生活をしてみている段階で、小さな家での生活で必要なこと、更に必要となるものは何かなど、タイニーハウスでの暮らし方に慣れていこうとしているところです。
材料費をかなり抑えることができたので、この家を作るためにかかった費用は、全て合わせてわずか約6,000ポンド(約80万円)でした。
建設がスタートした17歳の頃は仕事の見習いを始めたばかりで、給料は時給だったため生活も苦しく、その中で家の建設を進めるのはとても大変でした。
それからだんだんと週払いの給料がもらえるようになり、家の資材を買い揃える余裕が出てきました。
これは血と汗と涙の努力の結果でき上がった、彼にとって非常に特別な思い入れのある家です。
途中、辛くなってやめてしまいたいと思ったこともありましたが、今となっては自分の力でやり遂げた家づくりにとても満足しています。