ジェレミーとケイシーの夫妻とまだ小さな息子のジャスペンの3人家族は、アメリカ・オクラホマシティーの郊外にあるタイニーハウスで暮らして2年ほどになります。
二人は、住宅ローンを抱えることなく家を持てるタイニーハウスを、結婚前から検討していて、結婚後それを実現しました。
特にケイシーは、タイニーハウスムーブメントが注目されるよりも前からタイニーハウスに興味を持っていました。
夫妻は家の設計に長い時間をかけ、たくさんの時間をさいてデザインを作りました。
また結婚後は、最低一人は子どもを持ちたいと考えたため、一度決まったデザインをそこでも更に作り直しました。
自身の仕事柄、もともと大工仕事のスキルのあったジェレミーがDIYで作り、こうして現在の形のタイニーハウスが完成しました。
このタイニーハウスが建っている場所は、数年前にケイシーとケイシーの父が共同で購入した土地の一角です。
以前、石油の採掘が試みられたことがあったため、全くの手つかずの原野のままではなく、ある程度整備されており、タイニーハウスを置くのにちょうど良い環境となっていました。
自然に囲まれたとても美しい場所にあるこのタイニーハウスは、広いウッドデッキやファイヤーピット、子どものための砂場などがあるコテージスタイルの家です。
室内では床下を利用した収納や、折り畳み式のテーブルなど、限られた空間を上手く計算して使っています。
家族の寝室はロフトになっており、まだ小さな息子がロフトから誤って落ちる事がないように、ロフトにいる間は階段の入り口をふさぐことができる折り畳みのドアをつけたり、ネットを張ったりして安全にもとても気を配っています。
ケイシーは看護師をしているため早朝に出勤することがありますが、そのような時は息子を起こさないように注意しなければなりません。
そのため、朝のコーヒーを作る事もできず忍び足で家を出なければならず、それがこのタイニーハウスの生活で大変なことです。
この家を作るのにかかった費用は約35,000ドル(約375万円)で、そのおかげでローンを抱えることなく、シンプルなスローライフを実現することができました。
彼らは、将来的には現在の場所にもう少し大きな、一般的なサイズの家を建てようと考えています。
子どものいる現在の家族の形では、やはりもう少し大きなスペースが必要と感じてきたという事もありますが、それでもタイニーハウスに住んでみようと考えた過去の選択には全く後悔はなく、とても良い経験ができたと考えています。
また、このタイニーハウスも無駄になるわけではなく、ゲスト用の離れとして使ったり宿泊用に貸し出したりと、色々な可能性を秘めています。
以前は全ての人がタイニーハウスのような小さなスペースで暮らすべきという風にも考えてみましたが、自分たちの経験を通して、その考えは部分的に修正され、タイニーハウスが合う人と合わない人のライフスタイルがあるということを学ぶことができました。
また、タイニーハウスという空間は全ての人に適用できるわけではないかもしれませんが、ここで得られるシンプルなミニマリストのライフスタイルは誰でも自分の生活に取り入れられる素晴らしいものだと考えています。
[madori]