二人は生活をよりシンプルにしたいと考えました。必要でないものは捨て、多くの物を持たない生活をしようと思ったのです。
現在ボブは週に3日働いており、また二人でボランティア活動に参加したりしています。仕事を少なくすることは、それもまた生活をシンプルにすることに繋がり、出費が抑えられる要因にもなっています。
家を小さく、ものを少なくすることによって、生活のコストがかからくなり、共通の趣味である旅行ができるようになり、二人の時間も増えました。
また、ボブにはレベッカのための生活の保障となるものを作ってあげたいという考えがありました。二人はこれまで充実した生活を送っては来ましたが、あまり大きな貯蓄はしてきませんでした。もしこの先ボブに何かがあった時、レベッカが暮らしていける家とお金を残してあげたいと考えたのです。このタイニーハウスが出来てから、ボブはやっと安心することができました。
二人には4人の子供がいます。子供たちはもう大きくなって家を出ていきましたが、子どもたちが小さい頃からもずっとシンプルな生活を心がけてきましたし、4人もの子供と一緒に生活している間に、自分のスペースを人とシェアする習慣がつき、タイニーハウスのような狭い空間に引っ越してもストレスになることがありませんでした。
二人のタイニーハウスの材料はほぼ全てリサイクルの素材を使いました。手に入れたものとその時持っているものを組み合わせて、どう使うかを考えながら作ったのです。
欲しい材料を探すのではなく、手に入れることのできたものをどのように自分の理想の形に活かしていくかと考えることで、よりよい物が生まれるとボブは考えています。
内装はレベッカが好きなヨーロピアンスタイルにしました。漆喰を使うのはヨーロッパでは一般的ですが、アメリカではそんなに見かけません。レベッカは自分の好きなデザインをこのタイニーハウスで実現しました。その他小さなところの装飾もレベッカが手掛け、細かい彫刻なども自分で施しました。
そんな二人の好きなものを詰め込んだタイニーハウスの中央には、なんと本格的なピザオーブンがあります。オーブンの周りの断熱をしっかりすることで、家の中が暑くなることはありません。庭にはバスタブもあります。
この家を掃除するのにおよそ10分しかかかりません。大きなローンを抱えているという責任感によるストレスを感じる必要もありません。二人とも、大きな家にまた住みたいとは思っていないそうです。