ジョエルとエマ夫妻はまだ小さな娘たち2人と一緒に家族4人でタイニーハウスでの生活を始め、6週間ほどになります。
夫妻は、今タイニーハウスを停めているところとは別の場所に土地を購入しており、その土地を整備している最中です。
タイニーハウスでの生活を選んだ多くの人のケースとは少し異なり、彼らは新しい家を建てるまでのつなぎとしてタイニーハウスを考えています。
タイニーハウスを選んだのは、テレビで見てコンセプトやデザイン性に以前から興味を持っていたからです。
物をあまり持たずに小さなスペースで暮らすシンプルな生活を娘たちに経験させ、家族にとって本当に大切な物は何かということを感じてほしいという事もありました。
現在タイニーハウスを置いているのは、エマの両親が暮らしている敷地内の一角です。
新しい土地は、電気など人が住むための整備をまだ何もされていない状態で購入したので、タイニーハウスをそこに置く事ができず、エマの両親が所有している広い敷地の片隅を借りる事にしたのです。
両親が近くにいる事で、飛行機のパイロットをしているジョエルが仕事で家を空けている間、エマと子どもたちだけで留守番していても安心して過ごすことができます。
また、エマが子供時代を過ごした思い入れのある場所でもあり、子どもたちが家の外で自然に触れあって遊べるところでもあります。
彼らのタイニーハウスは、カナダの昔ながらの農家をテーマとした趣のある家で、家の前には広いウッドデッキや大きなプレイグラウンドも作ってあります。
プールで水遊びをすることもできます。
家の中は、娘たちと一緒に料理ができる広いキッチンやたくさんの洗い物ができるダブルシンク、大きな冷蔵庫など、子どもとの生活を第一に考えてデザインされています。
二つあるロフトはそれぞれ一つずつ娘たちの寝室兼子供部屋になっており、夫妻の寝室には一階のリビングエリアにある折り畳み式のソファーベッドを使っています。
ロフトに上がる階段の途中にある絵本の収納スペースや、天井からロープで吊り下げる事のできるブランコなど、子どもたちのための設備がたくさんある家です。
二人は子どもを持ってから、それまで住んでいた家をリノベーションしたり、新しい家を買ったり、また新しい土地を探したりと色々と忙しく動いてきました。
それらをもちろん楽しんできましたが、子どもがまだ小さい時に最も大切な事は、しっかりと子どもたちと向き合う時間をとることだと考えています。
タイニーハウスでのシンプルなライフスタイルはまさにそれを実現させてくれています。
タイニーハウスで暮らし始めてからは、家族同士のコミュニケーションがよく取れるようになりました。
以前の大きな家に住んでいた時は、家族それぞれが自分のスペースで過ごしていて、何かある時には呼びに行かなければ話をすることができませんでした。
タイニーハウスでは、個人のプライベートな空間はきちんと確保しながら、同時に家族が常に一緒にいるという一体感を持つことができます。
この家では、ある歌の「love grows best in little houses(愛を育むには小さな家が一番)」という一節を玄関マットや壁掛けに書いてあるのですが、家族の生活をよりシンプルでありながらも豊かなものにしてくれた、まさに真実を表す言葉だと思います。