シルヴィはティーンエイジャーの娘と二人暮らしのシングルマザーです。彼女はもともと小さくコンパクトな家が好みで、大きな家に住みたいとはそんなに思わないタイプでした。小ぢんまりしたスペースで、自分の好きな本に囲まれている生活がしたいと思っていました。
更にシングルマザーとなってからは、自分の将来のことをよく考える必要もありました。離婚した時に自分の家がほしいと思いましたが、それは賃貸でなく自分と娘がずっと住むことのできる家である必要があると考えました。
現在シルヴィは43歳で、あと10年以内にはローンを払い終えることができる見通しになっています。
そして彼女はこの家で生活をしている中で、すでに自分の好きなことや旅行を楽しめる自由を手にしています。
タイニーハウスでは掃除や手入れにそんなに時間がかからず、一日の中で彼女が自由に使える時間が以前よりも増えています。あらゆる意味で彼女はとても自由になりました。
大好きな読書をゆっくり楽しんだり旅行に出たりする、時間的・金銭的な余裕ができたのです。
今、余裕のある生活をしていることはとても重要です。娘はあと数年で大学に行くために家を出ていきますが、その時に娘をできるかぎりサポートしてあげたいと思っているので、物理的にも金銭的にも自由でいることはとても大切なのです。
シルヴィはタイニーハウスを終の棲家とするつもりなので、ベッドルームをロフトではなく一階にするなど、年をとってからも快適に住めるように家の間取りを考えました。
ティーンエイジャーの娘のために、ロフトにつくった娘のベッドルームは、戸を閉めて個室になるように配慮してあります。
シルヴィはタイニーハウスに住もうと考えたとき、それを顔見知りだった、娘が所属している乗馬クラブのオーナーたちに相談してみました。
すでにテレビなどでタイニーハウスについて知っていた彼らはとても賛成してくれました。そして、彼らの所有する土地で使っていない場所を貸してくれて、シルヴィの好きに使っていいと言ってくれました。そこにタイニーハウスを置き、電気や水道を通すこともできました。
タイニーハウスに最初に移った時、まずは安心を感じました。そしてすぐに、タイニーハウスに住むことで得られる利益の大きさがわかりました。
シルヴィは、このタイニーハウスのムーブメントがこれから成長していくことを願っています。
色々な自治体がタイニーハウスを受け入れるようになるために、シルヴィたちタイニーハウスに関わっている人たちは働きかけを続けていかなければなりません。
シルヴィの住んでいるカナダ・ケベックではすでにタイニーハウスのコミュニティーが出来つつありますが、それらはまだ小さく、これからもタイニーハウスに関する活動を継続していくことが必要だと考えています。