タイニーハウスは若い学生にとって夢の住宅となり得る選択肢ですが、実際に建設するまでは非常に大きな労力と努力が必要です。今回はフロリダにそのタイニーハウスを実現させた学生を訪ねます。
ブラッドリーはフロリダ、ジャクソンビルでタイニーハウスに住み始めて3か月になります。この家を作るのに1年半ほどかかりました。
ジャクソンビルの真ん中に住んでいますが、自然に囲まれていて、すぐそばにはクリークが流れています。まだ見たことはありませんが、アリゲーターもおそらく生息していると思われます。
タイニーハウスに住もうと思ったのは、何よりも財政的な理由からでした。高校を卒業してから1年は家賃を払って家を借りていましたが、色々と金銭的に大変なことに気が付いて一度実家に戻りました。そこからお金を貯めて、タイニーハウスの建設に備えました。
彼の家族はブラッドリーが本当にタイニーハウスに住もうとしているとは最初信じていませんでした。ある日、彼がタイニーハウスを載せるトレーラーを家まで牽引してきたときにはじめて彼が本気だということを信じたようです。
ブラッドリーはこのタイニーハウスをRolling Quartersと名付けました。これは言葉遊びで、Living Quarters(住宅・居住区)と、タイヤがRolling(転がる)という意味を合わせてトレーラーの上にのっているこのタイニーハウスを表しているものと、お金を節約するという二つの意味をかけているのです。
実際彼はこのタイニーハウスで多くのお金を節約することができました。およそ15,000ドルの出費で全て揃えることができたのです。
家の素材はクレイグスリストやホームセンターなどで安く揃えましたが、暖かみのあるカントリー調のデザインや、外のコミュニティとのつながりを実感できる家の外に作ったポーチなど、彼の譲れないこだわりの点はしっかりと押さえました。
少し前に大きなハリケーンがありましたが、彼はその備えが十分ではありませんでした。それまでに大きな労力と時間をかけてタイニーハウスを作ってきて、その上ハリケーンへの備えとして新たに何かを準備したり作業したりすることは、気持ちの上でも余裕がありませんでした。
こうして、彼の住む場所はクリークの近くで洪水のおきやすい場所だと知っていたにもかかわらず、備えがないままハリケーンを体験し、彼の家は浸水して大きく手直しが必要となってしまいました。
床や断熱材を一度剥がしてからまた取り付けなおさなければならず、家の修理をする一方で学校を休むわけにもいかず、とてもストレスフルな時間でしたが、それも一つの大きなレッスンとなりました。
こうしてタイニーハウスで暮らしていて、タイニーハウスを建てていく過程で、ブラッドリーは自分が思っていたよりもずっとたくさんの事ができると気が付くことができました。
たとえば、家の電気系統の部分などは最初、業者に頼もうかと思っていました。でも少しリサーチをしてみると自分でできるかもしれないと思ってやってみたのです。いざやってみると、それまで複雑で難しそうだと思っていたものが、想像よりもずっとシンプルであると気が付くことができました。こうして彼は多くのことを自分の手で一つずつやり遂げたのです。