みんなのタイニーハウス

「時間の余裕を作ることができた」約660万円で建てたオフグリッドタイニーハウス

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タイニーハウスでの生活を選んだ人々のうち、自然との結びつきを再考したいからという理由を挙げる人はかなりたくさんいます。

カナダ・ブリティッシュコロンビア州でタイニーハウスに住んでいるジェシカもそのようなうちの一人です。

ジェシカの両親は趣味として野菜や動物を育てる農園を営んでおり、その中で育った彼女には自然と、自給自足や自然環境に配慮した生活をするという意識が芽生えていました。

大人になってしばらくは何となく一般的な生活を送っていましたが、そのままその流れに乗って家を買ったり所有したりするという事はあまり感覚的にしっくりきていませんでした。

そのような中でタイニーハウスムーブメントについて知った時、これこそ自分の求めるライフスタイルを実現できる選択肢だと思い、タイニーハウスでの生活を始めることを決めたのです。

ジェシカはタイニーハウスの魅力として、「いつでも自由に移動できる身軽さ」「自分の生活が自然環境に与える害が少ないこと」、そして何よりも「自然との距離の近さやスローライフ、持続可能な生活が実現できること」を挙げています。

ジェシカのタイニーハウスの外観は、素材の質感をそのまま活かした形になっています。

以前滞在したことのあるメキシコからインスピレーションを得て、メキシコのバーをイメージしたデザインにしました。

家の中は、彼女は料理が好きなため、大きな冷蔵庫と、タイニーハウスにしては広いキッチンを作ってあります。

収納をたくさん作ってあることと、何かの折にはすぐに引っ越しができるようにとジェシカの考えにより、家の中の装飾は少なく、あまりものを置かないシンプルな家です。

また、この家は外から電気や水を引かないオフグリッドの家です。

今は川のそばにタイニーハウスの載ったトレーラーを停めているので、毎日水を汲んで使っています。

電気は、発電機を使っています。これは家を作った時はソーラーパネルを取り付ける予算が足りなかった為ですが、将来的にはソーラーパネルをつけたいと思っています。

大きな電力が必要な家電は冷蔵庫くらいで、洗濯乾燥機はありますが使っていません。

洗濯は家の外で、手洗いしています。

タイニーハウスの外にはファイヤーピットを作っており、そこで洗濯の他、料理をすることも多いです。ここで暮らし始めたのは2月の半ばからですが、寒いときでも同じ生活をしていました。

この家では、グランピングのようなアウトドア体験をすることができ、なおかつきちんと自分の家にいるという安心感があるので、何も気にせずに自分の周りにある自然を味わう事ができます。

このタイニーハウスで暮らし始めて6ヶ月ほどですが、これから薪ストーブを置くことを検討するにあたって少しスペースが足りないと感じている以外は、特に不便や不満はなく、とても満足しています。

ジェシカはソーシャルワーカーをしていますが、この生活は彼女に、一週間働いて一週間休むというような仕事のペースを可能にしてくれました。

修士号をとるための勉強をする時間の余裕も作ることができました。

この家を作るにあたってかかった費用は、全て含めて80,000カナダドル(約660万円)ほどでした。

当初の予算を少しオーバーしましたが、この家で得られる経験は何物にも代えがたいものですし、朝起きてここが自分で作った自分だけの家なのだと感じる瞬間は特別なものです。

また、彼女の性格や個性にぴったり合ったライフスタイルを送ることができる家なのです。

今回の動画のYouTubeチャンネル→Living Big In A Tiny House
TAKUTAKUはLiving Big In A Tiny Houseのパトロンです。(→パトロン

 

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