ヴィルソンは故郷クロアチアで、石で作ったタイニーハウスに住んでいます。
20歳を過ぎたころに偶然新聞で見かけた石造りの家が印象に残り、その写真を切り抜いてずっと持ち歩いていましたが、ある時自分の土地にそのような石の家を作ってみようと考えました。
ヴィルソンが手にした土地は誰も欲しがらない荒れた土地でしたが、彼はその土地から掘り出した石を建材として使い、石を掘った後はオリーブを植えて農園を作りました。
石造りの家は、クロアチアの伝統的家屋によく見られるもので、彼の家は伝統の中に現代の知恵がよく組み込まれています。
石を加工に出したり加工済みのものを買ったりすると高いので、ヴィルソンの土地を開墾する時に出た石を、やはり自分たちの手で削るところから始めました。
家族や友人の助けを借りて5年ほどかかりました。
家の中には家族や友人からプレゼントされたアートや、ヴィルソンがこれまで旅してきた国の思い出の品など、彼の思い入れのあるお気に入りのものだけを大切に飾ってあります。
外観は18世紀の家のように見えますが、3,000リットルもの水を貯められる貯水槽があり、太陽光発電パネルや蓄電池も取り付けられています。太陽熱を利用した温水器もあります。
料理にはガスを使い、電線や水道を引かないオフグリッドの家です。
この家作りのように、何か新しいことを始めるときに、最初に大切にするものはあなたの夢であり、想像力です。
それを形にする段階で、現実的に必要な要素を足していけば良いのです。
ヴィルソンの家は伝統的な外観をしていますが、家の中では電気を使う事ができ、彼はスマートフォンも使いますが、同時に自然とも密接に結びついています。
オフグリッドの生活をするということは、何も社会から切り離された生活を送るという事ではありません。
美術館に行き、バスや電車に乗り、公共の道路を使ったりなどという事も当然できるのです。
農園には4種類およそ300本のオリーブの木がありますが、彼のオリーブは化学肥料や農薬を一切使わずに作られています。
オリーブの寿命は長く、1,000年、2,000年と生きることができます。
薬を使わない彼のやり方を変わっているという人もいますが、彼は多くの収穫をあげるためだけに農薬を使い、その薬が蓄積された木を未来の世代に引き継がせたくないのです。
できるだけ自然な形で、これ以上ないくらいエコなオリーブを作りたいと考えています。
もし今住んでいるところが自分に合わないと感じるのなら、合う場所を探しに行きましょう。
決断するのは他でもないあなた自身です。自分の人生について、自分なりのビジョンを持つことが大切です。
誰かの意見に耳を傾けることは必要です。中には良いアドバイスもたくさんあることでしょう。でも、自分の心の声を聞くことを忘れてはいけません。