ワシントン州オリンピア。人里離れた森の中です。建材を運ぶのも大変で道中には川もあります。ジェイコブはそんな場所に家を建てました。彼はこれまで複数の家を建てていますが、このキャビンが初めて建てた家です。
10×10フィート、100平方フィートにおさまるように設計しました。少なくとも規則上200平方フィート以下にしなければなりませんでした。そのため家はとても上に長いものになりました。
建築当時ジェイコブはまだ学生で、環境に優しい生活を志していました。いまここにソファも枕もありませんが、当時暮らしていた時もそうでした。ここの暮らしで最も気に入っているのはあらゆるところがシンプルでモノがないことです。
当時はまだ道具も持たず何をできるかもわかっていませんでした。それでもこういったデザインにしたいとは強く頭に描いていました。窓を多く取り入れているのは自然との密接なつながりを大事にしたいと考えたからです。二階にあがるとまるで木でできた大きなテントです。二階の窓からは空もよく見えます。
自然に対峙することなく、それでも雨風をしのげる家を建てました。そして水道も電力もないこの家でジェイコブは3年間暮らしました。こういった自然のなかでの生活に対して憧れはするものの、現代のテクノロジーを享受しない生活を不安に思う人がいることでしょう。
しかし、シャワーがないなどと心配しなくても良いのです。あたりを見回してみましょう。小川があります。シャワー以外にも体を洗う手段はあるのです。
こういった生活における価値というのは実体的ではありません。目に見えてわかるものではないのです。こういった生活を受け入れられない人、笑う人には向いていないでしょう。
実際苦労は多いです。しかし、ここでの生活には計り知れない喜びがあります。私はこの生活を大変気に入っています。