先日、静岡で小さな家の設計士をしている黒田さんとお話をしました。
今回は、黒田さんのブログを見ていて、とても心揺さぶられる記事があったのでご紹介したいと思います。
20年前にインドを周っているときに撮った一枚です。
「学校」だと思います。子どもたちを見ると小学校のようです。
学校といっても、柱や壁や屋根はありません。
建物ではありません。では建物がなければ「学校」ではないのでしょうか。
勉強したい子どもたちがいて、それに応えたい大人たちが向き合っています。
その「構造」が存在しているだけで、紛れもない学校が成立しています。
狭い意味での、物理的な建築の構造は存在していませんが、この「構造」がこの「学校」を支えています。
学校というだけでなく、建築の原点、建築が生まれる瞬間を見たような気がして感動したのを覚えています。
この文章を読んだ時に、心のもやもやがスーッと通るような気持ちになりました。
「部屋がいくつもあって、テレビがあって、ソファーがあって、窓があってベランダがあって…」というのが家ではではないんです。それはあくまで物質的な部分。
言葉では言い表しにくいのですが、家で大切なことは、その家の「空気」とか「温度」とかそういうものなのではないでしょうか?
目で見えない、「キモチ」の部分。どういうキモチを持ってその家をつくったのか、建てたのか。そのキモチがにじみ出てくるような家が、本当の家なのだと思います。
そして大切なものは、人によって変わるんだと思んだと思います。
物質にとらわれずに考えてみると、家の本当の姿が見えてくるのかもしれません。