デレクとジェフリーは、カナダ・ビクトリア郊外の自然豊かな土地にあるタイニーハウスで暮らしています。
二人がタイニーハウスを作り始めたもともとの理由は、家のデザインに関するちょっとした試みをしてみようと思ったことです。
ゼロからスタートして、家の機能やインテリアなど隅々の細かいところまで全て自分たちで考えた作品を作ってみたいという考えから始まったプロジェクトでした。
当初はこのタイニーハウスを民泊用のゲストルームとして活用しようと考えていましたが、プロジェクトが進むうちにだんだんと自分たちがここに住んでみるのも良いかもしれないと考え始め、この家に引っ越すことにしたのです。
それまではトロントに住んでいたのですが、狭く、機能的に優れてもいない家に住みながら、高い生活費を払い続ける生活に疲れを感じてきたこともありました。
そこでタイニーハウスが完成した後、それまでのビジネスも引き払ってトロントからビクトリアに引っ越して現在の生活を始めました。
タイニーハウスで暮らし始めてから、二人にとって家の広さは問題ではなかったのだという事が分かりました。
自分たちのパーソナリティーや好きなもの、大切にしたいものなどの価値観に合うようによく考えてデザインされた家ならば、小さなスペースでもストレスなく快適に生活できるのです。
彼らの家は、外側も内側も杉の木を多く使って作られています。
外壁はブラックと明るいブラウンを組み合わせたモダンな外観ですが、家の中は杉の自然な風合いを活かしたナチュラルなデザインです。
この土地はタイニーハウスを置かせてくれる地主をインターネットや新聞などへの投稿で募って見つける事ができたのですが、ここでは電気と水が使えるので、家電を動かしたり水洗トイレを使ったりすることが問題なくできます。
二人とも料理が好きなのでキッチンスペースを広く取ってあり、料理を振る舞うゲストが訪れても座れるような広いテーブルもあります。
テレビなどを見てくつろぐスペースはロフトの上に作ってあり、ゲストがそこで泊まることもできます。
この家を作るのにかかった費用は、彼らの場合は建築業者に作業の大部分を依頼したのでDIYよりは高くなりましたが、およそ91,000カナダドル(約725万円)ほどでした。
このタイニーハウスでの生活を始めてからまだ一ヶ月ほどなので、これからまだ手を加えたいと思っている所もありますが、ここでの生活はとても快適で、トロントの都会での生活からライフスタイルを大きく変えたのにもかかわらず、驚くほどすんなりと新しい家に適応できました。
二人は犬と猫を飼っていますが、動物たちにとっても自然の中を走り回れる環境を作ってあげられた事はとても良かったと思っています。
ここでは都会の忙しさに流されて失いがちだった自分らしさを取り戻した生活ができます。
タイニーハウスで暮らし始めてまだ日が浅いので、まだ未知の部分はたくさんありますが、二人は、自分たちのためだけの究極にパーソナライズされた空間と自分たちに価値観に合ったライフスタイルを実現することを可能にしてくれたこの家は、人生の特別なギフトだと考えています。