タイラーのタイニーハウスは、彼が全て自身の手で作り上げた家です。
実際に家を建てる作業ではもちろん、家族や友人、ガールフレンドなどの大きな手助けがありましたが、デザインや電気、水回りなど全て自分で考えて設計しました。
とにかく低予算で作ることを目指していたので、可能な限り廃材やリサイクル品などを集めたり買ったりして家の素材を集めました。家を載せているトレーラーも中古のものです。
2,000カナダドル(約165,000円)以下で作ることができました。
彼のタイニーハウスの大きな特徴は、上げ下ろしできるベッドです。
多くのタイニーハウスと同様に、タイラーも寝る場所とリビングスペースをどのように確保するのか悩みました。
ベッドをロフトにしてはしごで上り下りしたり、また、小さなベッドで窮屈に眠ったりするのもどちらも好まなかったので、その解決策として考え付いたので可動式のベッドでした。
昼間は天井近くまでベッドを上げ、夜はソファの上に来る高さくらいまで下げて踏み台を使えば楽にベッドにあがることができます。
ベッドを動かすシステムも試行錯誤を繰り返し、電動式やその他の方法を色々と試した結果、現在使っているのは4番目の試作品です。
ハンドルを回してケーブルを巻き上げる仕組みの手動式のシステムですが、今のところはこれが一番気に入っています。
あと何週間か試してみたら、また他の方法が思いつくかもしれませんし、これが一番良いという結論になるかもしれません。
ここに住む以前は、アパートメントの地下室を借りており、自然光があまり入らない部屋に対して毎月1,000カナダドルの家賃を払っていました。
金銭的にも楽になり、そしてもっと明るい部屋に住みたいと考えた結果、タイニーハウスを試してみることにしたのです。
彼のタイニーハウスは、職場の近くに年中オープンしているRVパークに停めています。
通勤時間も短くなり、毎月の出費も確実に低くなっています。
この家で生活を始めてから、自分がどれぐらいの水や電気を使っているのかを意識するようになりました。
タイニーハウスの生活では、一般的な家に住んでいるのと同じ感覚で水や電気を使うことはタンクや電源の容量的にもできないからです。
また、自然環境への影響などにも注意が向かうようになりました。
この家を作った最大の理由は、ある種の実験がしてみたかったからです。
屋根や床、キッチンなどの各パーツだけでなく、電気の配線や水回りのシステムなど、色々な要素が複雑にパズルのように組み合わさることで家ができています。
タイニーハウスを作る過程で様々な実験的な試みをしてみて、自身のスキルアップにつながる学びを得ることができました。
電気や水道などの各分野のエキスパートではありませんでしたが、このタイニーハウスという一つの形にまとめあげることができ、彼の挑戦はとても報われたと満足しています。