トリッシュとサウルはDIYで自分たちの住むタイニーハウスを作りました。
二人ともトラベリングセラピストの仕事をしており、一定期間ごとに色々な土地へと移っていくので、仕事のある所どこへでも家ごと移動できるタイニーハウスは彼らのライフスタイルにぴったりだと思いました。
タイニーハウスがあれば、これまでのようにアパートメントからまた違うアパートメントへと荷物を移動させるのとは違って、どこに行っても真に自分の家があるという寛いだ気分にさせてくれます。
彼らはフルタイムの仕事の合間に時間を見つけてDIYで作りました。
早朝や深夜などの小間切れの時間にも作業として、時には作りかけのタイニーハウスの屋根の上でそのまま寝てしまうこともありました。
DIYの作業の大部分はサウルが行いました。
トリッシュも、彼女が物理的に何か大きく手助けできるという事は少なかったのですが、常にサウルの側で励ましたり、気持ちの面で助けられた所がたくさんありました。
この作業を通して、一緒に問題に取り組む姿勢を見る事ができたり、互いの長所や短所を上手く組み合わせて良い方向へと向かっていける事などを知ったりした事で、お互いを人生のパートナーとしてかけがえのない存在だと感じる事ができました。
今は、このタイニーハウスをカリフォルニア州サンディエゴに置いています。
友人が、DIY作業の仕上げが終わるまで自分の置かせてくれているのですが、これからまた他のところに行く予定です。
二人の家の中は、広々とした雰囲気にしたかったので、リビングやキッチンを壁で仕切ることはせず、代わりに床に段差を設けることで異なる役割のスペースだと感じられるようになっており、その床は木のラミネートで美しく仕上げられています。
床下や天井を利用したたくさんの収納や、ダブルシンクのキッチン、バスタブが使えるバスルームなど、シンプルですが機能的な家です。
この家を作るためにかかった費用は、全て含めて約25,000ドル(約270万円)でした。
全てDIYで作った事と、中古やリサイクルの材料を再利用して使ったのですが、そうしたことを考慮してもかなり安いコストです。
サンディエゴは家賃の高い事で知られていますが、ここで家を借りようと思ったら、単身者向けの1ベッドルームのアパートメントでも月に1,800ドル以上(約19.5万円)かかります。
つまり二人は、サンディエゴの家賃の約1年分のお金で持ち家を手に入れたことになるのです。
学費のための学生ローンを払っていた彼らにとって、これ以上の負債を抱える事は避けたかったので、もうどこにも借金をする必要がなくなった事は経済的にも大きな助けになりました。
トリッシュの家族は、この家はサウルの無償の愛の形であると表現しています。
これ以上のものは無いというくらい素晴らしいものを、彼はほとんど一人で、二人のために作り上げました。
タイニーハウスを作る一つ一つの作業を思い返すと、よりこの家が自分たちだけのものであるという感覚が湧き、この家が誰にも奪う事のできないかけがえのないものだと再確認することができるのです。