みんなのタイニーハウス

「屋根とゆっくり眠れる場所があればいい」5,000ドルのタイニーハウスに住む男性

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今から20年前、ジェイ・シェイファーは彼の最初のタイニーハウスを作り、そしてそれが一つのきっかけとなって、革新的なアイディアで手に入れやすい価格の様々な家を選択肢に入れる人たちが増えていきました。

ジェイはまさにタイニーハウスの父と言っても過言ではない存在です。

そして現在彼は新しいタイニーハウスを作ってそこに住んでいますが、それは5,000ドル以下というローコストな家になっています。

彼の最新のタイニーハウスは、スペースの取り方、材料の使い方、そしてもちろん費用の面でも無駄を一切省いた能率的な家づくりをしています。

今まで作ってきた中で最もシンプルな作りのこの家のデザインは、これまでにないほど長い時間をかけて考えました。

家にとって本当に必要なものは何か、どうすればスペースを無駄なく使えるのか、小さいからこそじっくりと検討する必要があったからです。

ジェイのタイニーハウスは、リビング兼仕事スペースとして使える小さなテーブルと、ベッド、収納があるだけのシンプルな作りです。

トイレやシャワーなどは、このタイニーハウスを停めているキャンプサイトの共用の設備を使っています。

バスルームやキッチンなどが揃っているに越したことはありませんが、ジェイが本当に人間に必要だと結論付けたものは、自分の上にしっかりとした屋根があってゆっくり眠れる場所があることでした。

彼の家のあるカリフォルニア・セバストポルには多くのホームレスたちがいて、そしてジェイ自身も過去にホームレス生活をしたことがありました。

段ボールやブルーシートの中で寝起きしている人たちを見たり自分自身の経験から感じたりした、家を家らしくしてくれる本当の要素とは何かを深く考えてデザインしたタイニーハウスです。

ジェイの最初のタイニーハウスも必要に迫られて作ったものでしたが、それは単に車の中で寝泊まりするだけの毎日よりも、車に家を積んでいるというコンセプトを形にしてみたらそれはアーティストとして、よりアートを体現していると言えるのではないかと考えたからでした。

その後、再び生活の事情から財産を全て失ってしまったときに、現在の彼のタイニーハウスのコンセプトである、人間が家に住んでいるという状態とは何かという自問自答に答える形の家が出来上がりました。

住む場所を失うということは辛く困難な体験でしたが、そのおかげで今は本当に必要なものが分かるようになりました。

人は誰も路上で生活すべきものではなく、風雨から身を守る家に住むべきであり、そしてその家を手にするのはそんなに難しいことではないとジェイは考えています。

全ての人に家を提供できるようにするためには、人々の基本的なニーズとは何かをよく突き詰めて形にいかなければなりません。

そしてそれは家のデザインにとって難しくもやりがいのある挑戦になっていくのではないでしょうか。

今回の動画のYouTubeチャンネル→Living Big In A Tiny House
TAKUTAKUはLiving Big In A Tiny Houseのパトロンです。(→パトロン

 

-みんなのタイニーハウス

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