ザックの家は、タイニーハウス作りのワークショップに協同する形で建設が始められました。ワークショップの題材として自分のタイニーハウス作りとコラボレーションする形をとったのです。
参加者たちは建設する過程を見たり手伝ったりして、実際にタイニーハウスを作る経験をすることができ、ザックはワークショップの参加者たちに手伝ってもらうので格安でしかも早い工程で家を建てることができ、またタイニーハウスというコンセプトについて同じ考えを持つ参加者たち結びつくことができ、双方にメリットがありました。
ザックは妻とまだ赤ちゃんの娘とこの家に住んでいます。自然素材を使った、人体や環境への有害物質を使わないタイニーハウスです。
ザック夫妻はもともとタイニーハウスを作るなら環境に優しいエコフレンドリーな家にしたいと思っていました。自然素材というだけでなく、家を維持するのに重要な換気システムの能率など、合理的な家を作りたいという希望もありました。
ザックのお気に入りの場所であるソファや、タイニーハウスの中とは思えないほど本格的なキッチンなど、快適に家をつかうことのできるデザイン性も大事にしたいと考えていました。
夫妻は実に何年も、この考えを深く理解してくれて家づくりに協力してくれるデザイナーや建築業者などをずっと探していました。そして自然素材を使ったタイニーハウスを数多く手がけ、ワークショップも開いていたベンに出会い、彼のワークショップで実際に家を作ることになったのです。
タイニーハウスに移り住んで一番変わったことは、ライフスタイルがよりシンプルになったことです。周りにある自然を愛し、日々の小さな出来事を大事にする生活です。
今住んでいる場所には人混みも騒音もなく、都市での生活から切り離されて過ごすことができます。社会と結びついて仕事をしている以上、電子機器や機械と全く無縁の生活というわけにはいかず、それらに大きく頼っている部分もあります。でもそれに依存して振り回されているわけではありません。適度な距離を保つことができています。
小さな家に住んでから、自然との結びつきを感じながら生活の主導権を外側の環境ではなく自分たちで決めることができる生活こそ、彼らファミリーが望んでいた理想のライフスタイルでした。
今はまだ幼い娘が大きくなってからは、また違ったプランの家づくりが必要になるかもしれませんが、ザックはこの彼らにとって最初のタイニーハウスはどのような形になってもずっと記念として残しておきたいと考えています。