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「モノを持つのが苦手。常に身軽でいたい。」永井一二三さん 〜渋谷駅徒歩3分・3畳の狭小物件〜

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渋谷駅徒歩3分。国内でも屈指の好立地にある、3畳の狭小物件。

今回はその物件の紹介と、物件を借りる永井一二三さんにお話を伺いました。

まずは物件の紹介から。

渋谷駅徒歩3分の3畳の狭小物件

渋谷の狭小住宅

渋谷区桜丘町にある「ジュネス順心」というアパート。渋谷の南改札口を出て、歩道橋を渡った先の細い路地にそのアパートはあります。丸窓のある建物が今回の物件。どこか心惹かれる外観です。

渋谷の狭小住宅

石畳の階段を登ります。入り口を入るとそこは別世界が広がっています。

渋谷の狭小住宅

なんともレトロでアンティークなロビー。なんと築79年とのことです。(2017年時点)

渋谷の狭小住宅

階段をのぼった2階に3畳の部屋があります。

渋谷の狭小住宅

とても趣のある部屋の扉。味のある丸い窓と新聞受けが特徴です。

渋谷の狭小住宅

そして気になる部屋の中。思っていたよりだいぶきれいです。大家さんがかなり丁寧に手入れしているようです。

渋谷の狭小住宅

キッチンも洗い場も同じ空間にあります。ガスや水の契約はしていないとのことです。

渋谷の狭小住宅

3畳と聞いていたので、どんな狭い部屋だろうと思ったのですが、モノが全くないので、広く感じました。押入れもあるので、3畳のスペースでも物が多くなければ快適に過ごせそうです。ちなみにトイレは共同とのことです。

渋谷の狭小住宅

こちらが入口側の写真です。3畳の部屋は撮影するのがなかなか困難でした。

渋谷の狭小住宅
渋谷の狭小住宅

驚いたのがこの鍵穴。雑貨屋以外でこの鍵を見たのは初めてです。笑

残念なのがこちらの物件が2018年10月建て壊し予定とのこと。とてもきれいで、レトロで、アクセスも抜群に良いので、借りたい人はたくさんいそうなのに。。

この部屋を借りる永井さんに話を聞いてみました。

永井一二三さんの話

佐藤:この物件に住み始めた理由は何ですか?

永井:
今は多拠点で生活しています。渋谷のこの部屋と原宿のシェアハウスを使っています。この部屋は、渋谷で用事がある時や、仕事で遅くなった時などに利用しています。

一般的な部屋のありかたは、テレビやソファなどを置いて、くつろげる空間だと思うのですが、今は部屋に求めるものが変わってきていると思うんです。

動きやすい暮らしがしたいと思っています。ミニマリスト的な考えがあって、モノを極力減らしたいんです。ノートPCだけあればいい。だから部屋にも何も置いていません。ガスや水道も契約していません。

佐藤:冷蔵庫はどうしてるんですか?

永井:
冷蔵庫は置いていません。コンビニを冷蔵庫代わりにしています。モノを所有しなくてもいいと思うんですよね。シャワーを使いたかったら、契約している渋谷のジムのものを使ったりすれば良いと思うんです。

渋谷の狭小住宅

佐藤:ミニマリスト的な考えになったのはなぜですか?

永井:
モノを持つのが苦手なんです。少しの雨だったら傘は持たないですし。MacBook Proを使っているんですけど、それでも重く感じます。

街をふらつきたくても、持っているモノが重いと やめてしまうことないですか?そういうのをなくしたいんですよね。モノを持たない方向にいきたい。持たないといけないモノは薄いもの軽いものにしたい。

やりたいと思ったことをすぐにやれる状況にしたいんです。

シェアハウスに住むのもその理由です。所有でなくて共有。食器もそこにある。洗濯機もシャワーもトイレも共有。いつでも動けて身軽なんです。あとは、住む場所を選ぶときには動きやすいよう、アクセスの良さというのも大事にしています

佐藤:今住んでいるシェアハウスはどういうところですか?

永井:
原宿のTHE SHAREというシェアハウスです。住みはじめて6年目になります。シェアハウスのオープンの時から住んでいます。サラリーマン、経営者、映像関係のフリーランスなど様々な仕事の方が64名程住んでいますね。年齢は20代〜50代まで幅広いです。

佐藤:多拠点で生活をしようと思ったのはなぜですか?

永井:
一つの場所だともったいないと思うんですよね。拠点が増えるとできることも広がるじゃないですか。
あとは資産の分散という面でも。一箇所に固まってしまっていると何か起こったときにリスクが大きいと思うんですよ。

あとはシェアハウスにフリーランスの方など多拠点の人がいたというのも理由のひとつですね。

渋谷の狭小住宅

佐藤:今はどのようなお仕事をされているのですか?

永井:
フリーランスとして6月から独立します。以前はコピーライターとして広告の制作会社に勤めていました。

佐藤:もともと独立は考えていたのですか?

永井:
いえ、働きはじめたときは考えていなかったですね。周りにそういうフリーランスの人がいたというのもあったのが大きいです。

佐藤:これからはどういうことをされる予定ですか?

永井:
広い意味での「住まい」のことを中心にやっていく予定です。直近では不動産サイトの運営の手伝いをします。

これからは、「それ、コピーライターがやるの?」ということまでやりたいと思っています。

イベントをやったりもしています。以前には、シェアハウスがオープンする時の内覧イベントで、シェアハウスに興味がなかった人も参加できるようなイベントなど行いました。

渋谷の狭小住宅

佐藤:永井さんに物件の希望を伝えたら、いい物件教えてくれそうですね。

永井:
物件や店舗が空きそうになったら、不動産サイトに載る前に先に情報入ってくることもありますよ。

佐藤:拠点はこれからも増やす予定はありますか?

永井:
拠点は増やしたいと思っています。

原宿、渋谷にプラスして沖縄とかもいいなと思っていますね。ひとまずは東京を中心に活動すると思いますが。

佐藤:海外も考えていたりするんですか?

永井:
海外にも増やしたいですね。スペインは拠点作れたらいいなと思っています。駅の近くに海があったり、市場があったりして、環境がいいじゃないですか。なんとかあっち(スペイン)で仕事を作って、拠点作れないかなと思っています。

佐藤:夢が広がりますね。

永井:
その時に自分が良いと思った方にいくようにしています。

やりたいと思ったことをすぐにやれる状況にしながら、楽しく生きていたいと思っています。

編集者佐藤の感想

モノを持たないミニマリスト的な生活スタイルや、多拠点での生活、アクセスを重視した拠点選びなど、「身軽さ・動きやすさを何よりも意識した暮らし」「自分がやりたいと思ったことにすぐに動き出せるように」という生き方が印象的でした。

「やりたいことをやれるチャンスを逃さないように」するという生き方が、暮らしや住まいにも表れているようでした。

ミニマリスト的な暮らしは、「お金がかからない」「環境によい」という点だけでなく、「いつでも動ける」という点もあるのだなと強く感じた一日でした。

これからも拠点を増やし、全国各地で永井さんの影響力が広まっていってほしいです。

渋谷の狭小住宅

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