彼らはこのタイニーハウスでもう7年以上暮らしています。以前からずっと旅をして回っていて、その度に家を借りたり準備して、そしてまた他の場所や海外に行き、再び身の回りのものを整理して…という生活をしたこともありましたが、それはあまりうまく行きませんでした。
そこで、旅を続けることが可能でありながら、それに伴って家を新しく契約し直したり物を増やしたりしないようにする方法はないかと考えていました。
最初からバスで暮らそうと決めていたわけではなく、偶然の出会いからでした。
このバスは何とブランドンが小学校に通うときに乗っていたスクールバスで、彼らはこれが売られているのを偶然見つけたのです。
それを見つけてちゃんとまだ動くことが分かり、彼らはこのバスを買って住めるように改装しました。天井を高く作り直して、今はほとんど二階建てバスくらいの高さがありますが、きちんと合法的に道を走ることもできる大きさです。
タイニーハウスへと作り変えていくにあたり、その材料には全て廃材など古いものを再利用しました。文字通り人々が捨てたものを拾って使いました。
家の中の小さなパーツやデコレーションなどの一つ一つは、全てブランドンたちがよく吟味して気に入ったアンティークを集めました。皆古くてそれぞれにストーリーのありそうなものばかりで、作られて50年よりも新しいものは一つもないのですが、それらもやはり不用品から見つけたものです。
このバスでの生活を通じて、外に目を向けてみるとそこには自分の空間を好きなように彩ることのできるアイテムがたくさん転がっているということを学びました。
新しいものを買う必要も、生活の中でそんなに多くあるものではありません。
最初はタイニーハウスの材料や小物などでしたが、今では服などもほぼ全てのものを新しく買ったものでそろえるという事がなくなりました。
何かを買いたいとか消費したいという欲がなくなり、本当に美しいと感じられるものだけを大事にしていこうという気持ちに変わってきたのです。
子どもたちにとっても良い環境だと考えています。このバスと一緒に色々なところを回り、その間子どもたちにとって家や子ども部屋、彼らの好きなおもちゃはいつもしっかりと一緒にあります。
それでいて一旦バスのドアを開けるとそこにはいつも違った新しい世界が広がっているのです。
自分たちのしっかりとした結びつきと、それとは反対の自由で混沌としたものという、この世界の良いところをある意味同時に子どもたちに見せてあげることができていると考えています。