火の見櫓(ひのみやぐら)に住む2人のストーリーです。デザイン重視の奇抜な家のように思いますが、歴史や建物について調べ、実際にその土地に滞在してから建てられています。
ダブニーとアランは火の見櫓に暮らしています。かつてふたりはテキサス州ダラスで生活していました。大きい家、大きな車、大きな仕事、大きなものの中で生きていました。しだいに現状と違った生き方があるのではないかと考えるようになりました。
このあたりはかつてたくさんの火の見櫓がありました。しだいに数が減り老朽化を心配して多くの櫓を森林管理業者が解体していきました。現在残っているものはごくわずかです。
火の見櫓は360度の展望があって、ここで見張っていたら火災の発生に気づくことができます。
ここにキャンプできる土地があると気づいて、まずインフラ事情を調べ、建築について学び建築業者を探しました。週末をこの土地で過ごしてみて、少しずつ滞在時間を延ばしてみました。そうしてここに年間を通じて住むことができるのではないかと考えるようになりました。
地面からデッキまでは40フィートの高さです。メインとなる部屋は18×18フィート。160エーカーの土地。牧草地がそのうち40エーカーで、西と南が崖。ほとんどを国の森林に囲われています。388平方フィートの家でどうやって生活するのだと尋ねられますが、ベランダや畑もあるので狭い家という感覚はありません。実際のところこれまでで一番広いスペースで生活している気分です。
人里離れた場所での生活はかつてほど原始的ではありません。携帯電話やインターネットがあるし、電気もあるし水を引くこともできる。食事も粗末なわけではありません。畑でとれた新鮮な食材で調理しています。
最初は意見が合わないときはただ相手を否定するだけでした。二人とも学ばなければならず変わったのです。いまではお互いに違って良いと考えるようになりました。ふたりで様々なことに取り組みその瞬間を楽しんでいます。