キャスとレベッカのカップルは、カナダ・ブリティッシュコロンビア州ガルフ諸島にあるタイニーハウスに住んでいます。
家を作ったのはレベッカで、パートナーのキャスが後からここでの生活に加わりました。
レベッカは自分だけの空間を確保することができて、また自然に囲まれた所で暮らしたいと色々模索していましたが、大きな家や土地を買うだけの資金は持っていませんでした。
そのような中でタイニーハウスという選択肢があることを知り、自然環境と結びついたスローライフや物を持たないシンプルな暮らしが、レベッカが家に求めるものと一致するという事から、自分のタイニーハウスを作ってみる事にしたのです。
このガルフ諸島で見つけたタイニーハウスを停められるスペースはとても素晴らしく、大自然に包まれているという感触を得る事ができます。
朝は鹿が家の前を横切っていくのが見え、鳥の声が聞こえ、二人にとってはまるで楽園のような場所です。
このタイニーハウスは、レベッカがデザインを考え、友人に建設を手伝ってもらって5年ほど前に作りました。数年前からはここでキャスも一緒に暮らしています。
レベッカのタイニーハウスは、外の自然との結びつきを感じられることを第一に考えてデザインされ、大きな窓のある開放的な作りになっています。
家の外側には屋根付きの広いウッドデッキがあり、タイニーハウスの他にもワークショップ用の小さな小屋が建てられています。
この家のトイレも、家の中ではなく外に作られています。
外壁は木を張って作られていますが、家の中の壁は土で塗られており、タイニーハウスというよりもアースホーム(土でできた家)に来たような印象になっています。
キッチンやシャワーの水は雨水を集めて利用しています。
電気は一応電線を引いていますが、暖房は薪ストーブで十分足りており、照明にはキャンドルを使う事が多いためそんなに大きな電力は必要ありません。
この家を作るためにかかった費用は、全て含めておよそ55,000カナダドル(約447万円)でした。
レベッカは現在の生活をとても気に入っています。タイニーハウスが好きというよりも、ここで実現できた自分の理想的な生き方そのものに満足しています。
また、いつでも好きな間だけ家を空けられて、そしてまたきちんと帰る家があるという自由な生き方は、もし普通の家に住んでいたらできなかったことでしょう。
二人は、ここでの彼らの生活を通して、「物を持たない小さな家での生活でも人は幸せに暮らせる」ということを、他の人々に伝える事ができるのも素晴らしい事だと考えています。
伝統的な価値観や文化の中で、自分はこうあるべきと考えて生きるのも悪い事ではありません。
でも、タイニーハウスでの彼らの自然に寄り添った生活の様子は「人々がとるべきライフスタイルというものは一つでない」ということや「お金を使わなければ得られないものでもない」という、選択肢の多様さを教えてくれます。