カーティスとヘザーのカップルはバンをDIYで改装してタイニーハウスを作りました。
二人のバンは2006年製の中古車で、約10,000カナダドル(約82.5万円)で購入しましたが、これは車のサイズや種類からすると、かなり安い値段です。
そこから更に10,000カナダドル(約82.5万円)をかけて、ソーラーパネルやベッド、キッチン、収納などを取りつけて中で生活できるように作り替えました。
彼らにはあまり大きな予算がなかったので、リサイクルの材料を多く使いましたが、その多くは家族から貰い受けたり、以前住んでいたアパートメントで使っていたりしたもののリメイクです。
家族や自分たちが過去に使っていたものを身の回りに置いておくことで、自分たちと家族の結びつきや、自分たちのこれまでの歴史を思い起こさせてくれて、とても愛着が湧きます。
新品を買ったものもありますが、そういった物もイケアやホームセンターなどで安く手に入れられるものばかりです。
バンの室内にはソファ兼ベッドとキッチン、簡易式のトイレが備わっています。
二人とも料理が好きなので、キッチンスペースは広くつくってあり、コンロの他にオーブンも使う事ができます。
アートに関わる仕事をしている二人らしく、インテリアは機能性だけでなく見た目の美しさも考えてデザインされています。
また、二人はレイという名前の猫を飼っていますが、その事も、色々な場所や国に身一つで滞在して生活するデジタルノマドではなく、バンで暮らしながら、いわば家ごと移動するという形を選んだ大きな理由でした。
バンでの生活なら、レイをいつでも一緒に連れて移動できるからです。
全てのペットがこのような生活への適性があるわけではないと思いますが、レイの場合は迷子を防止するためのハーネスを嫌がる事もなく、バンライフに適応しています。
レイのために室内の温度にはいつも気を付けており、暖房と冷房どちらも備えています。
二人はグラフィックとウェブのデザインを手がけるビジネスを運営している他、ソーシャルメディアに関するコンサルティングも行っています。
また、カーティスがリリースしたコメディ・アルバムや本のロイヤルティー、ヘザーのアートをECプラットフォームに出品して得られる収益など、一か所だけでなく複数の収入源を持っています。
二人は以前からアーティストとして活動しており、主にコメディのパフォーマンスをしていました。
またヘザーは絵を描き、カーティスは本を書いていました。
普通の住宅に住んでいた時はそれだけの収入では足りないため、接客業の仕事もしていましたが、それは本当に自分がやりたいと思っているものではありませんでした。
家計を見直して生活の規模を徐々に小さくしていく過程で、段々と、旅に出てクリエイティブな生活をしたい、それまでの生活を大きく変えたいという気持ちが大きくなっていき、そこからバンを購入して旅の準備を始めました。
今の生活では、自分の本当にやりたいことに集中することができます。このような生活をしたいと考えている人がいたとしても、その誰もが成功するわけではないでしょう。
カーティスとヘザーも、もしかしたらまた接客業のかつての仕事や生活に戻る可能性はありました。
バンでの暮らしを始めて1年ほど経ちましたが、現在もこの生活を続けていけていることを幸運であると感謝しています。